インプラント概論

No.18CTは必ず必要ですか?

 KinkCombiScan

▲当医院で使用しているレントゲン KinkCombiScan

CTは顎の骨のかたちや、血管や神経の走行を確認するのに大変有用な情報を知ることができる医療機器です。
しかしながら、もっと重要なのは基本的なレントゲンや患者さんに話をよく聞く(問診)、よく診る(視診)、丁寧に触ってみる(触診)ことだと考えています。
基本的レントゲンや、触診などで十分で、CT撮影が不要な例も多数存在します。
十分な診査もせずに、いきなり初診でCTを撮影することには反対です。無用な被爆をさせるだけです。

岸本歯科医院では、CT撮影がインプラント治療に有用と考えられる症例にCT撮影を行っております。
CTでは歯肉の性状は診断できません。歯肉の性状は、よく見て、触って判断します。
歯肉の性状はインプラントの予後に重要です。場合によってはインプラント治療を断念する場合もあります。
インプラント植立部位をよく見ずに(視診)、丁寧に触らずに(触診)、CTですべて診断できるかの現在の風潮は問題があります。
岸本歯科医院では、最新鋭の日本製歯科用CTを導入しておりますが、通常のレントゲン、問診、視診、触診が大切だと考えています。

個人的なことですが、腕に脂肪の塊ができました。
近所の整形外科で相談すると、摘出手術が必要です。その前にMRIを取りましょうということになりました。
ごく小さな脂肪の塊で、表面にあり、神経・血管などからも離れているように思えたので、正直、MRIの必要があるのかと思いましたが、先生の判断を尊重してMRIをとりました。
その後、大きな病院の形成外科を紹介されたので、MRIを持って受診しました。
すると、担当の先生は「MRIは必要ありませんよ。」「摘出手術の日にMRIを持ってくる必要もありません。」
とおっしゃるのです。要するに、今回は脂肪の塊が小さく、手で触ると表面に存在することが明らかであるから、MRIは撮らなくてもいいということだと思います。

私は、インプラントでも同様だと思います。もちろん少しでも必要に感じたらCTは撮影すべきです。
CTがないクリニックでは危険だからインプラントはうけないほうがいいという主張は問題です。
欧米ではCT撮影はCT専門クリニックでとることは常識です。岸本歯科医院ではCTは導入していますが、撮影すべきかどうかよく検討しております。
安易な撮影は被爆を増やすだけだと思います。
(2013年2月1日)
追記
岸本歯科医院では、CTは骨の形や血管・神経の走行を三次元的に診断するのにたいへん有効なこと、しかしながら、CTを撮影しなくてもインプラント治療が可能な場合もあることを強調してきました。
歯科関連学会のなかで最大で最も権威のある日本口腔インプラント学会のホームページの歯科インプラント治療Q&AのコーナーにもCTが有効であることと、必ずしも必要でない場合があることが記載されています。
当院の考え方が日本口腔インプラント学会の見解にそったものであると思います。
(2013年4月15日)

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