インプラント治療の考え方の変遷

2月に岡山でAQBインプラントのセミナーがありました。
私のように一人で診療していると、独りよがりの考えで治療を行うことがあります。
いろんな考えを吸収して、治療の幅を広げていき自分の考え方を常に修正する必要があります。
そのために、学会やインプラントメーカーが行うセミナー等は参加すべきと考えています。

今回の先生は、既存骨重視の治療をしていて、上顎では骨移植なしのソケットリフト、下顎では骨の横幅が足りないときは細いナローインプラント、下顎の下歯槽神経までの距離が十分ではないときは短いショートインプラントを推奨していました。治療成績もよいと述べていました。骨移植はなるべくしないということです。まさしく岸本歯科で行っている治療のコンセプトと同じです。

 インプラント治療が開始された初期の頃は、骨が十分にある部位にインプラントを入れる外科主導型インプラント治療でした。しかし、十分な骨がある例は限られてきます。既存骨重視とは外科主導と全く同じではありませんが、残っている骨を探して、インプラントの方向や長さ、幅を工夫して埋入することです。しかしその後、かみ合わせを重視し、理想的な場所にインプラントをいれるため、骨移植などの造骨をしてからインプラントをする補綴主導型インプラント治療にシフトしてきました。理想的ではあるけど、欠点もあります。治療期間が長く、骨移植などをするため、痛みや腫れたりします。現在ではこの補綴主導型インプラント治療が多く行われています。ところが、痛みや腫れるだけではなく、骨移植をして造骨しても、時間が経過すると造骨した骨が吸収することが多くみられるようになりました。

東京歯科大学学会ではインプラントコンセンサスを発表していて、骨造成術の目的はインプラント埋入手術時に既存骨だけではリスクの高い症例に対してそのリスクを軽減するためだけのものであり、長期的に骨量を維持することを目的としたものではない。したがって審美性の改善を目的とした骨造成術の長期的な予後には疑問が残る。さらにインプラント埋入前手術として行われた骨造成術において造られた骨は経時的に減少する。この骨吸収は移植時から始まり、同部にインプラント治療を施した後の機能下においても継続する」と報告しています。
つまり、造成した骨がそのままの状態で長期間維持されることはなく、言い換えれば埋入時にだけ骨造成術が役立ってくれればよいという考え方です。

岸本歯科では、あえて補綴主導にこだわるのではなく、既存骨重視でよいのではないかと思います。

 最近では、患者主導型インプラント治療にシフトしてきました。患者と歯科医師がどのような治療をするのか話あって決めるというものです。言葉はかっこいいですが、当たり前のことですよね。

岸本歯科では今後も骨移植をしないインプラント治療が中心となると思います。

  (2018年3月3日)

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