インプラント概論

No.49HAコーティングインプラントだからできる治療

HAコーティングインプラントだからできる治療

HAコーティングインプラントは賛成派と否定派にはっきりと意見がわかれます。
賛成派はHAコーティングインプラントは骨とよくくっつくと主張します。
否定派はインプラント周囲炎になりやすいといいます。

私はどちらも正しいと思います。
否定派の先生はHAコーティングインプラントが脱落した患者さんが来院すると、写真に撮ってアンチHAインプラントキャンペーンを繰り広げます。
ちょっとやりすぎの気もしますが、言論の自由なのでしょうか。
意見の多様性を尊重するのでしょうか。それとも科学的真実を追求することなのでしょうか。
今回はHAインプラントだからこそ治療ができたと思うケースについて述べたいと思います。
すなわち、チタンインプラントであれば、治療そのものが行われていないと考えられるケースです。患者さんは失った歯の部分にインプラントを入れたくてお見えになりました。
よくお話しを伺いますと。
5年以上前に歯を抜いたとのことです。
レントゲンを見て、どうしようかと考えました。
5年以上前に歯を抜いたのに、レントゲンで抜いた歯の根の形がはっきりとわかるのです
(下記写真1)。
歯槽骨線
矢印で示したのは歯槽硬線といいます。
普通、抜いた直後はレントゲンを撮影すると歯槽硬線ははっきりとわかりますが、5年も経過するとまわりに新生骨ができてきてわからなくなります。
かなり柔らかい骨ができてきていると考えられます。
Lekholm and Zarbの骨質分類4に相当すると考えられます。

一般に医科用のCTではCT値がはかれて、歯科用のコーンビームCTではCT値ははかれないとされていますが、あくまで暫定的にみてみますと、やはり骨質分類4でした。

このような場合、インプラントを埋入しても初期固定が得られない可能性が高く、脱落する可能性が高くなります。患者さんには、そのことを説明し、なおかつHAコーティングインプラントがベストな選択であることを説明して、治療を開始することとしました。

骨質が悪ければ、なるべく太いインプラントを深く埋入したいのですが、骨の厚みの条件もよくなく、直径4mmで長さ8mmのインプラントを採用することにしました。

実際にオペをしてみますと、骨はものすごく柔らかく、インプラントの初期固定は十分ではありませんでした。上部構造装着するまでの期間を長くとるしかありませんでした。

使用したインプラントはワンピースインプラントなので、インプラントのアバットメント部分が歯肉から口の中にとびだしているので、インプラントが骨とくっついてきたかどうか簡単に判断できます。来院するたびに、インプラントを軽く叩いてみればわかります。実際にインプラントがどっしりと骨とくっつくまでに1年かかりました。

写真2はかぶせものが入ってから2年後のものです。
下顎のインプラント
立派にかんでいます。驚いたことに、歯槽硬線はまだはっきりとわかります〈矢印〉。
HAコーティングインプラントだからこそ行えた治療だと思います。
もちろん、このようなケースではインプラント周囲炎になる可能性も、良好な部位にチタンインプラントを埋入した時とくらべて、明らかに高くなります。
慎重なメインテナンスが必要です・
(2018年6月24日)

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