前歯のワンピースインプラントの歯肉は退縮しない
どのホームページを見ても、ワンピースインプラントは前歯に向かないと書いてあります。
ワンピースインプラントを前歯に推奨しているのは岸本歯科だけかもしれません。
私はワンピースインプラントこそ前歯に向いていると主張してきました。
その理由は過去のブログを参考にしてください。
・医院からのお約束・前歯のインプラント治療で骨移植を勧められた方へ
・No.23 前歯部こそワンピースインプラント
今回紹介する症例は12年前に治療したかたです。
写真1のようにインプラントの唇側には骨がありませんでしたので、インプラントのかぶせものが長い形となりました(矢印)。
日本人の場合、上前歯の歯肉が唇に隠れていることが多いので、インプラントのかぶせものが長くても問題にならないことが多いです。
したがって、岸本歯科では患者さんと相談のうえで、あえて骨移植も人工骨も使わずシンプルなインプラント埋入を行うことがほとんどです。
今回12年を経て、インプラントの隣の歯のかぶせものをやり直すことになりました。
写真2は天然歯にジルコニアクラウンをかぶせ、インプラントは12年前のそのままの状態です。
注目していただきたいのは、インプラントの歯肉の位置がほとんど変化していないことです(矢印)。
一方自分の天然歯の歯肉は退縮してきて、12年前に比べて歯が長くなっています矢印)。
結果的にはインプラントと天然歯の歯肉の位置がほとんど同じレベルになり大変よい状態です。
さらに10年後は天然歯の歯肉が退縮しているかもしれません。
すべての患者さんで同様にインプラントの歯肉が退縮しないわけではありませんが、ワンピースのHAコーティングインプラントではむしろ歯肉が増えてくる場合もあります。
岸本歯科医院では学会に報告できるようデーターを集計中です。
(2018年3月14日)