インプラント概論

No.11Minimal Interventionとは?

最小の治療的介入という意味ですが、低侵襲治療とか最小侵襲治療とか日本語訳されています。
簡単にいうと、大きな手術をしない、大きく切ったり張ったりしないということでしょう。
たとえば、今まで開腹手術で対応していたのに、腹腔鏡下で小さく手術を行うというものです。
王監督が胃がんの手術を腹腔鏡下で手術を受けたことは有名なことです。

さて本題の歯科インプラントでいうMinimal Intervetion(MI治療)とはどういうものでしょう。
私はなるべく骨移植を行わない、すなわち骨移植のために新たな手術部位を作らないことだと考えています。
移植用の骨を採取するために、口腔内から骨を採ってくるだけではなく、腰やひざからも採ってくる場合があります。

もちろん私のような小さなクリニックでは出来ることではありません。
骨移植がどうしても必要なら仕方がありませんが、なるべく回避する方法を模索するのは当然だと思います。
痛いですし、移植した骨がくっつくのに時間がかかりますし、費用もかかりますし、オサイフも痛いですよね。
また、骨移植が必ず成功するとは言えませんし。
失敗してしまったら、インプラントは出来ないし、骨を採取するための傷は痛むし、悲劇です。
最近では移植して出来た骨は吸収しやすいとも言われています。

そこで登場するのがHAコーティングインプラントです。
HAコーティングインプラントが早く骨にくっつくことはほぼすべての研究者が認めていると言っていいと思います。
このインプラントを使って、なるべく現在存在する骨の中にインプラントを埋め込むことを第一選択にするというものです。
万能ではありませんが、岸本歯科医院では多く採用しています。
(2010年5月11日)

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