インプラント概論
7.12020
新型コロナ対策としてのうがい薬は何がよいのか
新型コロナ対策としてのうがい薬は何がよいのか
マスク、手洗い、うがいは新型コロナウイルス対策としてみなさん励行していると思います。
岸本歯科でも、診察前のアルコールによる手指消毒、リステリンによるうがいを行っていただいています。
今回は、うがい薬についてです。
どんなうがい薬が有効なのか、興味があると思います。
イソジン(BETADINE®)は一般的によく知られているうがい薬の代表選手です。
イソジンの主成分はポピドンヨード(PVP-I)です。
このポピドンヨードは中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの大流行を引き起こしたMERS-CoVやSARS-CoVなどのコロナウイルスを含むエボラウイルス、ノロウイルス、インフルエンザウイルスなど広範なウイルスに高い効果を持つだけでなく、細菌・真菌を含む広範な微生物に高い効果を持つとされています。
口腔細菌学の大御所もイソジンでのうがいを推奨しています。
しかし、一方で、ポピドンヨードは新型コロナウイルスには無効であるとの海外での研究もあるようです。
本来なら出典を明らかにすべきですが、忘れてしまいました。
BETADINE®のメーカー、ムンディファーマは2020年4月21日、COVID-19疾患を引き起こす新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するBETADINE®(日本においては、イソジン®シリーズとして販売)の効果をin vitro及びin vivo で評価すべく、一連の研究に取り組むことを発表しました。試験はアジア・欧州・米国のBSL3ラボおよび専門家と連携して開始するとしています。
残念ながら2020年6月30日現在、メーカーの日本版ホームページには結果が公表されていないようです。
歯周病の予防によくつかわれているクロールへキシジン(コンクールの名前でよく知られています)も新型コロナウイルスに対しては有効ではないとの報告もあるようです。したがって、今のところ、アルコール含有のリステリンが現実的に推奨されると考えています。
ムンディファーマ社のポピドンヨード(イソジン)の調査結果が待たれるところです。
今後、MUNDIPHARMA社の発表によっては大きくかわってきますので、あくまで2020年6月30日時点での岸本歯科のうがい薬に対するスタンスです。
(2020年6月30日)