インプラント概論
8.12016
No.24歯科インプラントと上顎洞炎の関係およびCTの重要性
先日、九州歯科大学口腔インプラント科主催の講演会がありました。
耳鼻科専門医による上顎洞と歯科インプラントの関係についての講演でした。
歯科インプラントに由来する上顎洞炎が増えてきているのです。インプラント治療開始するにあたり、上顎洞と鼻との交通路(自然孔)の通気がよいことを確認することが重要であると述べていました。
このことは数年前ぐらいから強調されるようになってきていて、自然孔の確認にはCT撮影が重要です。岸本歯科医院でも、上顎奥歯部にソケットリフトでインプラントを植立する場合、必ず自然孔の通気がよいことをCTで確認しています。3年前まで、岸本歯科医院にはCTがありませんでした。
外部のCT専門クリニックで医科用のCT撮影をしていました。撮影するには撮影範囲などのオーダーをしますが、必ず自然孔が撮影される範囲までCT撮影して、自然孔の通気を確認していました。当院で歯科用CTを購入するにあたり、自然孔まで撮影できる機種を選びました。歯科用CTの場合、医科用CTと違い、撮影範囲が小さいので、自然孔が撮影できない場合があるのです。岸本歯科医院ではインプラント治療による上顎洞炎はおこったことはありません。術前の正しい診断が大変重要です。常に新しい知見を取り入れた医療を心がける必要があります。 (2015年8月2日)
Joachim S Hermann, David L Cochran, Daniel Buser , Robert K Schenk, John D Schoolfield : Biologic width around one-and two-piece titanium implants. Clin Oral Implants Res, 12: 559-571,2001.