インプラント概論

神経はとらないほうが、いいのだけど

神経はとらないほうが、いいのだけど

 

今までも、神経をとらないほうがいいと説明してきましたが、1本だけ神経を取った歯があるかたが相談に来られました。

全体的なレントゲン(オルソパントモ)を撮影してみると、右上第一大臼歯のみが神経の処置がされていました。

オルソパントモでは、歯の根の周りが黒っぽくなっており、何か問題が起きているように思えます(図1 →)。

図1

 

CTを撮影してみると、明らかに第一大臼歯近心根および遠心根に病変があるのが認められます(図2、3,4 →)。 

図2

図3

図4

 

歯の神経処置後の根端性歯周炎(根尖歯周炎)、あるいは歯が割れているのかもしれません。

ここまでくると、治療に反応する可能性 すなわち再根管治療に反応するのは少ないです。

よく説明、理解してもらってからの治療になります。

今回お伝えしたかったのは、神経を取ると歯の寿命が短くなるということです。

しかし、神経をとらなければならない状態もよく遭遇します。

 

一般的な健康保険で撮影される、パントモレントゲンやデンタルレントゲンでは、根尖病変がはっきりとしないことも多いです。

CTレントゲンのほうが明らかに根端性病変がわかりますが、X線被ばくを考えると、短期間に何枚も撮影するのは、どうかなと思います。

もちろん必要なら躊躇なく撮影します。

論点はずれますが、CTでは虫歯の進行具合を評価するのはむつかしいです。

歯の神経を取らないためには、虫歯を作らないのが一番です。

当たり前のことです。

奥歯の歯と歯のあいだ、隣接面う蝕はしっかりとした治療、メタル修復のほうがいいと思います。

(2022年10月10日)

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